新人大会地区予選速報3

 大会3日目の最終日は、5回戦に勝ち残った32名によるシングルスの決勝戦までと、17,18位決定戦が行われました。実力伯仲、文字通り熱い戦いの連続となりました。

 経験豊富な2年生の栗原くんと岡田くんは、5回戦を順当に勝ち上がってまず県大会出場権を獲得しました。同じく2年生の葭葉くんは、第1ゲームを接戦で落とすも第2ゲームでは11オールから10点を一気に連取してタイに持ち込む奮闘ぶりを発揮。しかしファイナルゲームでは不運にも途中で股関節を痛め、リードしながら無念の逆転負けを喫してしまいました。

 1年生の根本くんは、ダブルスで優勝した久喜北陽のシード選手と対戦し、1ゲーム目を失いながら劣勢を挽回して、こちらは見事な逆転勝利で県への切符を手にしました。第2シードの強豪選手と戦った安藤くんは、1ゲーム目をよく粘って善戦しましたが敗退。葭葉くんと安藤くんは17,18位代表決定戦に回りました。

[写真]左から順に:5回戦を戦う葭葉くん、安藤くん、根本くん、栗原くん

 6回戦では栗原くんがダブルス準優勝の栗橋北彩の選手に勝つと、岡田くんが春の個人戦で完敗していた草加西のエースにストレート勝ちして見事にリベンジを果たしました。相手選手が不調だったこともありましたが、春には団体戦でも苦杯をなめさせられた相手だったので、胸のすく快心の勝利でした。善戦を続けてきた根本くんは草加東のトップに敗れ、ここで敗退しました。

[写真]左:ベスト16で宿敵・芦名くんに勝った瞬間、雄叫びを上げる岡田くん
    右上:同じく果敢にスマッシュを打って攻め込む
    右下:ネット前のシャトルをバックハンドでさばく

 続くベスト8の準々決勝では、栗原くんが春日部共栄の一番手とファイナルにもつれ込む熱戦に。ファイナルゲームは19-16までリードしたところで右足をつり、どうなることかとハラハラしましたがよく耐えて21-19で逃げ切り、見事に勝ちきりました。岡田くんは根本くんが負けた草加東の選手と対戦し、互角のラリーから次第に押していき、第2ゲームで20-17とマッチポイントを握りながら追いつかれて延長戦へ。最後のラリーでは相手のショットが明らかにエンドラインを割りながらも線審はインの判定。岡田くんが主審に確認するとアウトとなり試合は勝利しました。この時、相手選手は自らアウトを認めてもめることなく終了。潔い相手の行動にフェアプレーの精神をみました。草加東の高橋くん、賞賛されるべき立派な態度だったと思います。

[写真]左:準々決勝で後方からスマッシュを打つ栗原くん
    中:同じく終盤、闘志を前面に出して勝利にまっしぐら
    右:足を痛めながらも勝利して、天を仰ぎながら感無量の栗原くん

 30分ほどの休憩を挟んで再開された準決勝。栗原くんは足の状態が心配されましたが、第1ゲームを落としながらも辛抱強くゲームを進め、第2ゲームを取り返して準々決勝に続いてファイナルゲームに突入しました。前半を7-11、後半も10-16まで離されましたが、そこから驚異の粘り腰を発揮。相手も疲れからミスを連発して一気に8点を連取して、ついに逆転勝ちしました。岡田くんは、5回戦で安藤くんを破った春日部東の今野くんと対戦。今野くんは心技とも非常に安定しており、全体でも頭ひとつ抜けた存在といえる選手で、準決勝の岡田くん、決勝の栗原くんともストレートで負けてしまいました。

 残念ながら優勝には手が届かなかったものの、大健闘のシングルスでした。顧問の小池先生も「選手はよく頑張りました。この夏は合宿や練習試合も含めて大きな怪我もなく順調に練習を積み重ねられたことが大きかったですね。みんなよく粘って、“粘り強い春高”のバドミントンを体現してくれたと思います」と、静かな口調の中にも充実した満足感を漂わせて語ってくれました。

◆最終目(8月23日) シングルス決勝まで
【シングルス5回戦】○栗原 2(21-11,21-9)0 野沢(三郷)=県大会出場権獲得
      ●葭葉 1(20-22,21-17,18-21)2 小倉(久喜北陽)
      ○岡田 2(21-11,21-9)0 須賀(越谷南)=県大会出場権獲得
      ○根本 2(12-21,21-19,21-12)1 福家(久喜北陽)=県大会出場権獲得
      ●安藤 0(19-21,8-21)2 今野(春日部東)

【同6回戦】○栗原 2(21-13,21-18)0 福田(栗橋北彩)
      ○岡田 2(21-14,21-11)0 芦名(草加西)
      ●根本 0(16-21,19-21)2 高橋(草加東)=抽選により14位

【同準々決勝】○栗原 2(21-17,14-21,21-19)1 中谷(春日部共栄)
      ○岡田 2(21-14,22-20)0 高橋(草加東)

【同準決勝】○栗原 2(12-21,21-14,21-18)1 岩波(越谷南)
      ●岡田 0(15-21,13-21)2 今野(春日部東)

【同決勝】●栗原 0(12-21,12-21)2 今野(春日部東)=2位

【同3位決定戦】○岡田 2(21-10,棄権)0 岩波(越谷南)=3位

【同代表決定戦1回戦】(21点1ゲーム形式)
      ○葭葉 1(21-12)0 永沼(草加東)
      ○安藤 1(21-18)0 横山(栗橋北彩)
【同2回戦】●葭葉 0(17-21)1 舟山(宮代)
      ○安藤 1(21-12)0 佐野(越谷西)
【同3回戦】○安藤 1(21-18)0 福家(久喜北陽)=県大会出場権獲得、抽選により17位

 試合を終えて、県大会に出場する選手たちからひと言ずついただきました。インタビュー順に紹介します。
◆安藤くん「中学時代にはシングルスで県大会に出場したことがなかったので、とても嬉しい」
◆葭葉くん「1年の時はダブルスが苦手だったけど、ペアの忍田くんが前の捌きが上手いので自分は後から打つ形ができてうまくプレーできました。大会の二日前に小髙先輩から、前に落として相手に上げさせて攻撃を継続することを指導されて、それがとても参考になりました。感謝しています」
◆忍田くん「春の大会にも安藤くんと組んで出たけど負けて悔しかった。叡明には絶対勝つと強い気持ちで挑んで、(シャトルを)上げないで攻め続けることができて満点の試合ができました」
◆岡田くん「(準々決勝まで)1ゲームも落とさずストレートで勝つことができたのがよかった。自分としてはかなりいい試合ができたと思う。(部長としての感想を問われて)全体にみんなよく頑張った。とくにシングルスで4人県大会は上出来です。団体では県ベスト8を目指したい」
◆根本くん「シングルスで県大会出場になったけど、できすぎでなんだかまだ実感が湧かない感じです。(課題は何かと訊かれて)中途半端なドリブンクリアーを叩かれてしまうので、クリアーをしっかり強化したいです」
◆栗原くん「決勝の相手は上からのフェイントがわかりにくく上手かった。苦しい試合もあったけどよくできたと思う。岡田くんより上に勝ち残れたのはちょっと嬉しい。ダブルスは悔しかったが、メンタル面や間のとり方など反省点も多かった」

 シングルスのベスト4に二人残ったのはいつ以来でしょうか。私(飛永)の記憶をたどっても思い出せないくらいの快挙といっていいでしょう。ただし、ここで浮かれないように。個人的見解ですが、私の目には昨年に比べるとだいぶ地区全体のレベルが落ちるなと映りました。昨年は関東大会に出場した草加東や越谷東がいて、近年の地区大会ではもっともハイレベルだったと思います。2年生はまだまだ3年生の代を超えたと思わないでください。

 それを裏付けるものとして、勝っても負けても連続失点が多かった点があげられます。高いレベルでの試合は1点ずつの取り合い競り合いが長く続くもの。メンタルとテクニックが安定していれば、そう大崩れすることはないのが強い選手、勝てる選手の特徴です。連続失点をしない、そのためには何が必要か、ぜひ皆で考えてもらえればと思います。今回の個人戦の結果に油断することなく、次の団体戦に向けてチームの団結を深めていってください。勝って兜の緒を締めよ。

 末筆になりましたが、平日開催にもかかわらず連日多くの保護者の方々に観戦と応援をいただき、誠にありがとうございました。今後もご子息と春高バドミントン部への温かなご支援をお願い致します。選手諸君もつねに感謝の気持ちを忘れずに精進していってください。

【追伸】大会期間中、副顧問の勝山先生が多くの試合の録画を熱心に撮影してくださっていました。画像での振り返りはとても得られることが多い貴重な資料です。「希望する人にはいつでもお見せしますよ」とおっしゃられていますので、ぜひ積極的に申し出てひとりでも多くの選手に活用してもらえたらと思います。

    新人大会地区予選速報3” に対して1件のコメントがあります。

    1. 関根務 より:

      同窓会事務局にいるバドOBの関根です。
      素晴らしい活躍に大拍手👏です。
      この勢いで、団体戦も頑張れ‼️

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